2026.03.17  2026.03.17

FUT法(切開法)とは?傷跡・メリット・デメリットと向いている人を解説

「切開法って傷が残るのでは?」「もう古い方法なの?」

植毛を調べていると、FUT法(切開法)についてこうした不安や疑問を持つ方は少なくありません。

現在はFUE法(非切開法)が主流になりつつありますが、FUT法がなくなったわけではありません。

実際には、必要株数やドナーの状態によっては、今でも選択肢になる手術方法です。

ただし、線状の傷跡が残る可能性があることや、体質によって向き不向きが分かれることなど、理解しておくべきポイントもあります。

この記事では、FUT法の仕組みやメリット・デメリット、どんな人に向いているのかをわかりやすく解説します。

目次

FUT法(切開法)とは?

FUT法(Follicular Unit Transplantation)は、後頭部の皮膚を帯状に切開して毛根を採取し、必要な部位に移植する方法です。

現在の韓国ではFUE法(非切開法)が主流で、FUTを積極的に提案するケースは以前より減っています。

しかし、大量移植やドナー条件によってはFUTが適している場合もあります。方法の流行ではなく、適応するかどうかで判断することが重要です。

FUT法の基本的な流れ

FUT法は、以下のような工程で行われます。

STEP

1.後頭部を帯状に切開

切開と聞くと「移植部も大きく切るのでは?」と誤解されがちですが、切開するのは基本的にドナー部(後頭部)のみです。

STEP

2.採取した皮膚を縫合

STEP

3.皮膚から毛包(グラフト)を分離

STEP

4.生え際や頭頂部へ移植

移植部分はFUEと同様にスリットを作り、そこへ毛根を植え込みます。

FUT法のメリット

FUT法(切開法)は現在主流のFUE法(非切開法)と比べて選ばれる機会は減っていますが、適応が合えば強みのある手術方法です。

ここでは主なメリットを整理します。

一度に多くの株数を確保しやすい

後頭部を帯状に採取するため、広範囲から安定して毛根を確保できます。

2000株以上の移植が必要なケースや、前頭部+頭頂部など広範囲の改善では、効率よく進められる場合があります。

ドナーへの負担が点状に広がらない

FUEは点状に多数採取しますが、FUTは帯状にまとめて採取します。

そのため、ドナー部全体に広く散らばるダメージが少ないという考え方もあります。

また、将来的に再手術を検討する場合、ドナー管理の戦略としてFUTを選択するケースもあります。

毛包の採取効率が安定しやすい

帯状に採取した組織から顕微鏡下で毛包を分離するため、採取効率が安定しやすいとされています。

ドナーの状態によっては、FUEより適している場合もあります。

大量移植では時間効率が良いことがある

広範囲移植の場合、採取効率の面でFUTが有利になることもあります。

特に、短時間で多くの株数を必要とする症例では検討されることがあります。

FUTは古い方法ではなく、「適応が限られる方法」と考えるほうが正確です。

重要なのは方法の優劣ではなく、自分の進行度・必要株数・ドナーの状態に合っているかどうかです。

実際のカウンセリングでは、株数が多い=FUTが良い、という単純な判断にはなりません。
ドナーの状態や将来の追加移植の可能性まで含めて設計する必要があります。

FUT法のデメリット・リスク

FUT法(切開法)は一定のメリットがある一方で、理解しておくべきリスクや注意点もあります。

特に、傷跡と回復過程に関するポイントは重要です。

線状の傷跡が残る可能性がある

FUTでは後頭部を帯状に切開し縫合するため、線状の瘢痕(はんこん)が残る可能性があります。

多くの場合、髪が伸びると隠れますが、下記のような方は慎重な判断が必要です。

短髪にする予定がある
刈り上げスタイルにしたい
傷跡が残りやすい体質(ケロイド傾向)

傷の残り方は、縫合技術・頭皮の柔らかさ・体質・術後の過ごし方によっても変わります。

抜糸が必要になることが多い

FUTは縫合を伴うため、術後に抜糸が必要になるケースが一般的です。

そのため、渡韓の場合はスケジュール調整が必要になることもあります。(※クリニックによっては溶ける糸を使用する場合もあります)

つっぱり感・違和感が出やすい

切開・縫合を行うため、術後に後頭部のつっぱり感や違和感を感じることがあります。

強い痛みが長期間続くことは多くありませんが、数日〜1週間程度の違和感があったり、頭を大きく動かす際の張りを感じるケースがあります。

 運動や筋トレは慎重に

縫合部に強い張力がかかると、傷跡が広がるリスクがあります。

そのため、術後しばらくは下記の様な動作は控えましょう。

術後に控える動作
  • 激しい運動
  • 筋トレ
  • 重いものを持つ動作

頭皮の状態によって適応が変わる

FUTは「頭皮の柔らかさ(スキャルプ・ラキシティ)」が重要です。

頭皮が硬い場合は、大きく採取できないケースもあります。この点は、写真だけでは判断できず、カウンセリングでの診察が重要になります。

FUT法はメリットもありますが、傷跡と回復過程を受け入れられるかが大きな判断ポイントになります。

短髪スタイルを予定している方や、傷跡を絶対に避けたい方は慎重に検討する必要があります。

「傷跡は隠れますか?」という質問は非常に多いですが、体質や縫合技術によって差が出ます。
短髪を想定している場合は、事前に傷跡の見え方まで確認することが大切です。

FUT法が向いている人・向いていない人

FUT法(切開法)は、すべての人に最適な方法ではありません。

重要なのは「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分の状態に合っているか」です。

ここでは、一般的に考えられる適応の目安を整理します。

FUT法が向いている人

FUT法が向いている人
  • 広範囲の移植を検討している人
  • 短髪にしない予定の人
  • ドナーの密度が高く、頭皮が柔らかい人

広範囲の移植を検討している人

2000株以上、あるいは前頭部+頭頂部など広範囲の改善を目指す場合、ドナーを安定して確保しやすいFUTが選択肢になることがあります。

短髪にしない予定の人

後頭部に線状の傷が残る可能性があるため、普段から髪をある程度の長さで維持する人には比較的適応しやすい方法です。

ドナーの密度が高く、頭皮が柔らかい人

FUTは頭皮の伸びやすさが重要になります。

頭皮が柔らかく、採取条件が整っている場合は適応になるケースがあります。

FUT法が向いていない人

FUT法が向いていない人
  • 短髪・刈り上げスタイルを予定している人
  • 傷跡が残りやすい体質の人
  • ダウンタイムをできるだけ短くしたい人

短髪・刈り上げスタイルを予定している人

傷跡が目立つ可能性があるため、後頭部を短くする予定がある方には慎重な判断が必要です。

傷跡が残りやすい体質の人

ケロイド体質や瘢痕が残りやすい傾向がある場合、リスクを十分に理解する必要があります。

ダウンタイムをできるだけ短くしたい人

縫合を伴うため、抜糸やつっぱり感などを含めると、FUEより回復負担が大きくなることがあります。

FUT法は古いから避ける方法ではありませんが、傷跡と適応条件を正しく理解したうえで選ぶことが重要です。

術式の選択は、進行度・必要株数・ドナー状態を総合的に診断したうえで決めましょう。

韓国でのFUT法の位置づけ

現在の韓国では、植毛の主流はFUE法(非切開法)です。

実際、多くのクリニックで標準的に提案されるのはFUEであり、FUTを積極的に勧めるケースは以前より減っています。

FUE法が推奨される理由
  • 傷跡が目立ちにくい方法が好まれる傾向
  • 生え際デザインを重視する症例が多い
  • 女性患者の増加
  • ダウンタイムの軽さを重視するニーズ

特に韓国では生え際の自然さやヘアラインの美しさに対する意識が高く、非切開法との相性が良いとされるケースが多いのが特徴です。

ただし、これはFUTが劣っているという意味ではありません。

大量移植やドナー条件によっては、今でもFUTが適している場合があります。

重要なのは、国の流行や主流に合わせることではなく、自分に必要な株数、ドナーの状態、将来的な進行予測を踏まえて判断することです。

FUT法の費用相場

FUT法の費用は、移植する株数やクリニックの料金体系によって大きく変わります。

基本的には株数(グラフト数)で価格が決まるケースが一般的です。

株数別の目安

1000株およそ40万円〜
2000株およそ70万円〜100万円前後
3000株100万円以上になるケースも
※あくまで参考目安です。クリニック・方法により変動します。

費用を見るときの注意点

FUTは縫合を伴うため、以下の点も確認が必要です。

施術費用以外に確認するポイント
  • 麻酔代は含まれているか
  • 術後の薬代は別途か
  • 抜糸が必要な場合の費用
  • 通訳費用

表示価格だけで判断せず、総額で比較することが重要です。

FUTは安い方法というよりも、適応によって費用効率が変わる方法と考えるのが実際に近い印象です。

必要株数やドナー条件によって最適な術式は変わるため、価格だけで判断しないことが重要です。

まとめ

FUT法(切開法)は、現在の主流であるFUE法(非切開法)と比べると選ばれる機会は減っているものの、今でも適応が合えば有力な選択肢となる手術方法です。

後頭部を帯状に採取するため線状の傷跡が残る可能性はありますが、その一方で大量移植に向くケースや、ドナーの確保効率という面でメリットがある場合もあります。

重要なのは、「切開か非切開か」という二択で考えることではありません。

必要株数、頭皮の状態、将来的な薄毛の進行予測、そしてライフスタイルまで含めて判断することが大切です。

傷跡やダウンタイムの特徴を正しく理解したうえで、自分に合った術式を選ぶことが、後悔しない植毛につながります。

よくある質問

FUT法の傷跡はどれくらい目立ちますか?

線状の傷が残る可能性がありますが、髪が伸びると隠れるケースが多いです。
ただし、短髪や刈り上げスタイルでは見えることがありますし、体質や縫合技術によっても差が出ます。

FUTとFUEはどちらが優れていますか?

優劣ではなく適応の違いです。
大量移植やドナー条件によってはFUTが向く場合もありますが、現在の韓国ではFUEが主流です。

FUT法は痛いですか?

局所麻酔を使用するため、施術中の強い痛みは少ないとされています。
術後は後頭部に軽いつっぱり感や違和感が数日続くことがあります。

抜糸は必要ですか?

縫合を行うため、抜糸が必要になるケースが一般的です。
クリニックによっては溶ける糸を使用する場合もあります。

韓国ではFUTはあまり行われていませんか?

現在はFUE法が主流ですが、必要株数やドナー条件によってはFUTが提案されることもあります。

この記事を書いた人

美容が好き。きれいになる過程が好き。そのための努力も大切にしています。
韓国美容を中心に、流行に流されすぎない視点で、正確で信頼できる情報を発信することを心がけています。

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